場所: 山中湖「平和荘」(山梨県南都留郡山中湖畔平野1875)
参加費: 41,000円
(授業・教材費、4泊5日の宿泊費、食事代を含む。)
募集人数:30名程度(ドイツ語を学ぶ大学生・院生、またドイツ語を学んだ社会人。原則としてB1相当以上のドイツ語力がある方を対象とします。)
参加申込みはこちら(QRコードもご利用ください) https://interuni.jp/anmeldung
ドイツ語で議論するゼミです。
奮ってご参加ください!


申込み締め切り:2025年8月15日 (なお、それ以前でも応募者が定員を満たした段階でキャンセル待ちとなりますが、締め切り後でも空きがあれば受け付けますので、お問い合わせ下さい。)
講師:相澤 啓一(獨協大)、HENDRICKS, Christoph(東京外語大)、井口 祐介(明治大)、小野 二葉(立命館大)、高橋 優(上智大)、ZÖLLNER, Reinhard (ボン大)ほか
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Nachhaltigkeit: Was soll wie lange bleiben?
今回のゼミではNachhaltigkeit(持続可能性)、すなわち、「大切なものをどうすれば将来にわたって残し、継続していくことができるのか?」というテーマを扱います。この言葉はとりわけ環境保護の観点でよく使われてきました。将来世代のために環境を保護しながら現在のニーズを満たすための開発を進めて経済を成長させる「持続的発展(nachhaltige Entwicklung) 」という考え方は、SDGs (Sustainable Development Goals = 持続可能な開発目標)という標語にも集約されています。「今のような営みを続けていたら私たちに未来はない!」と危機感を持たずにいられないテーマは、しかし環境破壊や地球温暖化問題だけではありません。
例えば少子高齢化です。ほとんどの先進国はこの問題を解決できていません。日本人は、仮に現在の出生率が続くなら、移民を増やさない限り、計算上あと700年足らずで消滅するのだそうです。でも日本人消滅より遙か前に破綻しそうなのが日本の国家財政です。何せ日本は、対GDP比200%を超える借金を年々さらに増やし続けているのに、選挙では目先の物価高対策として「減税か、給付金か」しか争点にならない国なのですから。いやその前に国際情勢はもっと切迫しています。第二次世界大戦という惨禍を経験した人類は、法の支配や人権といった理念をコンセンサスとして国際法を模索し国連を作り、「すべての戦争は(自衛権行使と国連決議による集団的安全保障措置の場合を除いて)違法である」という原則を国連憲章に謳って持続可能な世界を築こうと努めてきました。しかし戦後80年を迎えた今年、国連はすでに機能不全に陥って、ガザでの殺戮と民族浄化は放置され、国連常任理事国たちが率先して侵略戦争や国内少数派の弾圧を繰り広げています。核大国がダブルスタンダードを主張しながら近視眼的な権益を求めて力による解決に走るなら、世界の持続可能性は風前の灯火です。言論や思想や学問の自由、多様な人々の平等、法の支配といった民主主義的な「共通の価値」が大統領と政府による激しい攻撃に晒されているアメリカ合州国の現状は、西側諸国が最も大切にしてきたはずのこれらの価値がなぜ「持続可能性」とはほど遠かったのか、私たちに深刻な課題を突きつけています。
大切にするものはいつまでも残したい、と考えるのは私たちの自然な感情です。とはいえ、「持続可能性」を語るのであれば、「さざれ石の巌となりて苔のむすまで」といったアバウトなイメージで議論しても始まりませんから、具体的にどのぐらいの時間単位の話なのかも同時に考えておくべきでしょう。視野に入れておくべき時間規模が実はテーマごとに文字通り桁違いに大きく異なることは、この際、これまでの歴史を振り返りながら意識しておく必要がありそうです。私たちは例えば日本人を、日本の国家財政を、民主主義の共通の価値を、人類を、気候を、そして地球を、それぞれいったい何年ぐらい先の未来まで考えて持続させたいと願っているのでしょう? そしてその間、それぞれ大切なものを守るために、私たちは何をすべきなのでしょう?
今年の夏ゼミではこうした問題について、議論のきっかけとなるドイツ語のテキストや動画などをもとに、グループ毎にいろいろな観点からドイツ語でディスカッションを重ねていきたいと思います。議論に疲れたら富士山をバックに山中湖でゆっくり羽根を延ばしましょう。インターウニは、「全国各地からの新しい仲間たちと楽しく集中的にドイツ語を学ぶこと」と「大学生らしく批判的知性を磨くこと」という2つの目標を同時に追いかける欲張りな合宿セミナーです。新たに知り合う日独の多様な参加者たちとともに、言語や大学や世代の違いを超えて一緒にいろいろ考え、たくさん話をしていきましょう。




「ドイツ語を学ぶ合宿」として語学授業を中心に構成される「春ゼミ」とは異なり、夏のインターウニはドイツ語を使ってディスカッションすることを目指す合宿です。参加者は、事前配布のテキストを読んだり、自分で議論の材料を集めたりして合宿に参加し、ドイツ人学生たちと一緒にグループや全体会でできる限りドイツ語を使って議論します。そのため夏ゼミではB1、できればB2以上のドイツ語力があることが望ましいところですが、あとはやる気次第! 少し背伸びしても大丈夫です。 議論が分からなくなったり、なかなか言いたいことが相手に伝わらなかったりしたら、互いに助け合ったり、教員に日本語との橋渡しをしてもらったりして、楽しく議論を続けましょう。 アクチュアルなテーマとドイツ語学習を欲張って組み合わせるインターウニに参加して、全国各地の大学から来る新たな友人や日独の教員、さらには海外からの参加者たちと、ドイツ語漬けの5日間を過ごしてみませんか? | インターウニ・ゼミナールは、せっかく習い始めたドイツ語をもっと学びたいと考え、またドイツ語圏の地域や日独文化交流に関心を持つ学生たちが、全国から集まって議論する合宿ゼミです。いろいろな学生・教員がさまざまな大学から集まって(interuniversitär)、一つのテーマについて日独の文化を比較・対照しながら(interkulturell)、専門の枠を超えて(interdisziplinär)、国籍や文化、世代や立場の違いを超えて互いに学びあう(Inter-Lernen) ゼミです。夏のインターウニは設立40周年を祝った2019年の日光セミナーを最後にコロナのためしばらくお休みしてきまたが、今回6年ぶりに復活します!
- ホームページから申し込みをすると、登録アドレス宛に実行委員会から受付確認メールが送られますので、それに従って参加費を、所定の口座に振り込んでください (詳細は受付確認メールでお知らせします)。申し込み後のキャンセルや部分参加申請は9月3日まで受け付けます。
- 開催場所は山中湖畔です。東京方面からは新宿から山中湖〔平野〕行きの直通バス(片道2350円144分)が乗り換え不要で便利です(利用1ヶ月前から予約可なので、早めの予約をお勧めします。宿舎の「平和荘」は平野バス停から徒歩5分ほどです。(それ以外の東京方面からのバスについてはこちらを参照。また関西方面からは新幹線三島駅からバスを参照してください。ただし同じ山中湖でも「富士山山中湖(ホテルマウント富士入り口)」や「山中湖旭日丘」バス停で下車した場合はそこからさらに路線バスを乗り継いで「平野」まで来る必要があります。電車を利用して富士急行「富士山駅」から乗り継ぐ場合も同様です。
- そもそもインターウニとは何なのか? また、夏のインターウニのコンセプトやこれまで夏ゼミで扱われてきたテーマ一覧等については、インターウニのホームページ各サイトに詳しく掲載してありますのでご覧ください。(それぞれリンクをクリックしてみてください。)
- 会場の「平和荘」は学生合宿に人気のある伝統的な旅館で、部屋もお風呂も男女別ですが共同で使用します。食事や集団生活に不安や問題のある方は参加申込みに際して必ずご相談ください。可能な範囲で対応しますが、対応が難しいと思われる場合は参加をお断りする場合もあることをご了承ください。
- 中日の9月7日午後は自由時間となります。全体としてプログラムがぎっしり詰まっているゼミなので、この日の午後はゆっくり富士山でも眺めながら、山中湖畔を散歩したりランニングしたり睡眠補給したりして十分に休養を取ってください。山中湖は遊泳禁止ですが、ボートに乗ったりする場合は水着が必要です。カヤックやバナナボートなど有料のアクティビティもいろいろ提供されていますが自己責任での利用となりますので、くれぐれも事故に気をつけてください。
- 申し込み後のキャンセルや部分参加申請は9月3日まで受け付けます。部分参加により宿泊数が減る場合などはその分の金額を返金します。直前になってからの変更は多少のキャンセル料が発生する可能性があり、また連絡なしで無断キャンセルした場合は返金できません。(詳しくは申込みに際してお知らせします。)お問い合わせや、申し込みに問題が生じた場合などは、インターウニ実行委員会(https://interuni.jp/kontakt/)までお問い合わせください。
インターウニ・ゼミナール実行委員会(代表:相澤 啓一)
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