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第39回春のインターウニ・ゼミナール
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母語以外の言語でコミュニケーションができるようになると、今まで知らなかった人や社会と直接話せるようになり、世界がぐんと広がる喜びを知ることになります。ドイツ語を学び始めた皆さんには、そういう体験が待っています。ただインターウニでは、そのとき「どんなテーマについて話をするのか」という問いも、とても大切に考えています。買い物や旅行に使える日常会話ももちろん大事ですが、それだけだったら最近進歩がめざましい自動翻訳でも十分です。みなさんにはぜひそれだけではなく、ドイツ語を学んで、わくわくするような知的な対話や人との出会いの楽しさをぜひ体験してもらえればと思います。 |
日本とドイツはよく似ていると言われます。1870年頃に(英仏などより遅れて)始まった近代化のプロセスとか、第二次世界大戦を同盟国として戦って敗れた歴史、さらには戦後の経済発展など、地理的な距離の大きさにもかかわらず、日独両国には多くの共通点が見出されます。そうした中で、日本とドイツとで最も違う点のひとつは、「政治を学校でどう学ぶか」についての考え方ではないでしょうか。 「政治教育」のことをドイツ語でpolitische Bildungと言います。「教育」にErziehungではなくBildungという語があてられることからも、政治教育が単なる科目学習ではなく、人間形成の根幹として重視されていることが分かります。ナチスへの反省からスタートしたドイツでは、政治教育を進めるために、連邦政治教育センター(Bundeszentrale für politische Bildung、HPはhttp://www.bpb.de/)や各州の政治教育センターが設置されています。多くの学校がそれらのセンターと密接に連絡をとり、見学や研修プログラムを行なっています。みなさんは、どういう「政治教育」を学校で受けてきたでしょうか? 日本ではどうやら、「小学校や中学校では政治についてあまり語らない」というのが暗黙の了解になってきているようです。だから、若者が政治について話題にするのはやばくてダサイ、と思われがちです。もしかしたら、政治教育をテーマに掲げた今年のインターウニは「なんだか危なさそうなゼミ」などと思われてしまったかもしれません。でも、このように日本の若者が政治を話題にしたがらない姿勢は、世界の中でもかなり特殊です。現代の日本社会のあり方にも、きっとその影響が出ているのではないでしょうか。ちなみに2019年7月の参議院選挙で18歳と19歳の投票率は31%と低調だったとか。皆さんは投票行きました? 行った人も、行かなかった人も、今年のインターウニでは、まずはドイツ語をたくさん学びながら、どうして日本では学校であまり政治について学ばないのか、若者にとって政治とは何なのか、ドイツや韓国から参加する学生・教員たちと一緒に考え、学びたてのドイツ語で話をしてみましょう。 |
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インターウニは、初級からのドイツ語をレベル別少人数グループで学び、 また議論を通して実際に使いながら、 「全国各地からの新しい仲間たちと楽しく集中的にドイツ語を学ぶ」ことと「大学生らしく批判的知性を磨く」こと という2つの目標を常に追い続ける欲張りな合宿セミナーです。 |
主催: インターウニ・ゼミナール実行委員会 (代表:相澤 啓一)
共催: 筑波大学(日独韓共同修士課程=TEACHプログラム)
協力: Goethe-Institut Tokyo(ドイツ文化センター)、
Deutscher Akademischer Austauschdienst (ドイツ学術交流会)
©インターウニ実行委員会 / 2020年1月